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水の森(作 高田裕子)
¥2,200
森は、一滴のしずくから生まれる 屋久島で暮らし、実際の風景に想像をまじえた絵画を制作する画家、高田裕子さんの初めての絵本です。 緻密で圧倒的に美しい絵、そこからは無数の命や時間を感じます。一滴の雫、広がる波紋、芽吹く植物、根をおおう苔たち・・・・・・ 目の前で「森」が生まれていきます。 ●著者からのコメント 屋久島の森では、 数千年を生きる屋久杉から足下を覆う無数の苔まで、 あらゆるいきものの存在を感じます。 そのなかに混じると、私という存在があまりにちっぽけで、 人生はあっという間なのだと思い知らされるようで、「生きよう」と強く思います。 数千年の、数十年の、数日の、限られた命を、ただ生きようと。 その命を、その美しい違いを、できるだけ丁寧に描きたいと願っています。 ●高田裕子(たかだ ゆうこ) 1977年福井県生まれ。大阪教育大学教養学科芸術専攻美術コース卒業。2001年より画家として活動し、2009年に屋久島へ移住。屋久島の森をモチーフに、自身のイメージをまじえた絵画制作をはじめる。2010年、第14回新生展新生賞受賞。2012年、屋久島・平内に「しずくギャラリー」設立。毎年各地で個展を開催し、新作を発表している。 (版元より) 発売日:2015.9.10 出版社:アノニマ・スタジオ サイズ:294×215×9mm ページ数:40
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カフカ俳句 (著・文 フランツ・カフカ / 編・訳 頭木弘樹)
¥1,925
20世紀を代表する作家、カフカ。 彼が残した数ある断片を俳句の形式で味わう、新たなカフカ入門。 カフカ関連の書籍でお馴染み、頭木弘樹氏による新たな訳し下ろし、より深さを感じられる解説が各句に付いているので、入門的でありながら世界観を深く味わえる一冊。 頭木弘樹氏と俳人・九堂夜想氏の対談も収録。 発売日:2024.11.20 出版社:中央公論新社 判型:四六判変型 ページ数:208
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すべての、白いものたちの (著 ハン・ガン)
¥935
アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。 おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。 朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。 ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからない……という方には、個人的には『すべての、白いものたちの』をお勧めしたいです。 詩のように淡く美しく、それでいて強く心をゆさぶる名作です ーー岸本佐知子 生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。 文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。 ●ハン・ガン 1970年生まれ。韓国の作家。邦訳著書に『菜食主義者』(李箱文学賞、ブッカー賞受賞)『少年が来る』『ギリシャ語の時間』『すべての、白いものたちの』『回復する人間』『引き出しに夕方をしまっておいた』等。 ●斎藤 真理子 韓国語翻訳者。著書に『韓国文学の中心にあるもの』『隣の国の人々と出会う』等。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』、ハン・ガン『別れを告げない』等。 (版元より) 発売日:2023.2.7 出版社:河出書房新社 判型:文庫判 ページ数:200
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小津映画 粋な日本語 (著 中村明)
¥968
「ちょいと」「よくって?」と呼びかけ、「しっかりね」とハッパをかける。 小津作品の熱心なファンである日本語学の第一人者が、小津映画のセリフに潜む日本語のユーモア、気遣い、哀歓等を解読する。また役者の仕草や立ち居振る舞いから古き日本の生活感を拾い出し、忘れかけた日本文化を再確認し、その姿をいきいきと蘇らせる好著。 目次 小津映画の美意識 季節ににじむ哀感 描き出される人物像 口ぐせの詩学 時代の気品 会話の芸 表現の“間” たしなみの余白 絶妙の無駄 噛み合わず展開 コミカルな笑い エスプリとアイロニー にじみだすユーモア 妙想と名文句 逸話の語る小津安二郎 ●中村明 一九三五年山形県鶴岡市生れ。国立国語研究所室長、成蹊大学教授を経て、母校、早稲田大学の教授となり、現在、名誉教授。主な著書に、『作家の文体』『名文』『悪文』『比喩表現の世界』『人物表現辞典』(以上、筑摩書房)、『日本語語感の辞典』『日本の作家 名表現辞典』『笑いのセンス』『吾輩はユーモアである』『日本語文体論』『日本の一文30選』(以上、岩波書店)、『日本語の文体・レトリック辞典』『センスをみがく 文章上達事典』(以上、東京堂出版)、『美しい日本語』(青土社)などがある。 (版元より) 発売日:2017.2.8 出版社:筑摩書房 判型:文庫判 ページ数:336
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少年が来る (著 ハン・ガン / 訳 井出俊作)
¥2,750
1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。 戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。 抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。 その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた鎮魂の物語となっている。 (版元より) ●ハン・ガン(著) 1970年韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。 1993年季刊「文学と社会」に詩が、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し文壇にデビューした。 現在、ソウル芸術大学の文芸創作科教授。 『菜食主義者』で、韓国で最も権威ある文学賞、李箱文学賞を受賞、また2016年国際的に権威ある文学賞の1つマン・ブッカー賞国際賞を受賞。その他の作品に、短編集『麗水の愛』『私の女の実』、長編小説『黒い鹿』『あなたの冷たい手』『風が吹いている、行け』、散文集に『そっと静かに歌う歌』『愛と、愛を取りまくもの』などがある。 小説のほかに、絵本『雷小僧、天女稲妻、小僧天女』、大人のための童話『涙の箱』『わたしの名前は太陽花』などがあり、童話の翻訳も多数手がけている。韓国小説文学賞、今日の若い芸術家賞、東里文学賞など受賞多数。 ●井手 俊作(訳) 1948年、福岡県生まれ。 1974年、早稲田大学政治経済学部卒。 新聞社勤務を経て2009年に韓国文学作品の翻訳を始める。 訳書に崔仁浩の小説集『他人の部屋』と小説『夢遊桃源図』。 発売日:2016.10.27 出版社:クオン 四六判 並製 280ページ ============================= 1980年に韓国で起きた民主化抗争「光州事件」。 多くの市民が犠牲になったこの事件の可能な限りの資料を読み尽くし、 描き出された鎮魂の物語。 時間や地域を超えて、当人たちが読み手に直接語りかけてくるような、 必読の一冊。 =============================