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仕事文脈vol.25 (編 仕事文脈編集部)
¥1,320
すべてのゆかいな仕事人のためのリトルマガジン、vol.25特集は「どう、集まる?」「ふつうに複業」の2本です。 特集1:どう、集まる? ばらばらの人たちが集まる 駅前で、会社で、公園で、オンラインで これまでと違うやり方で 集まる意味はどこにある? 同じ場所にいなくてもいい? 問いながら試す「集まる」のいろいろ 特集2:ふつうに複業 物価と賃金のバランスがおかしい 暮らせないから、ふつうに複業 リスクヘッジ、自己実現、ライフワークとライスワーク…… 忙しいけど楽しい日もある だからこそややこしいのかも 「面白い」と「仕方ない」に挟まれた、複業の現在 ・目次 特集1:どう、集まる? 集うことを妨げる諸々のバリアたち 近藤銀河 場所じゃなくて居場所 鷹取愛 こんな風にも集まれる ―本読みデモ、ひとり街宣、ケアケア反省会 同志で集い、働く シスターフッド書店 Kanin/城山コーヒークラブ(SCC)/platform3 本と集まる 中岡祐介(三輪舎、本屋・生活綴方)/関口竜平(本屋lighthouse)/松村貴樹(インセクツ) コラム1:群山ブックフェアレポート/コラム2:ブックフェス始めてみた(Books&Something) 会議って何やってるんですか? 寺に集まる/寺に集める 渡邉英心さんインタビュー 実際に集まってみました 仕事文脈ピクニックレポート 特集2:ふつうに複業 いくつかのバイトと個人事業主を複業している私から苦しみの吐露を 山本佳奈子 わかりやすくなりたくない。 松本伸哉(ホホホ座/浄土寺センター) アンケート どんな複業していますか?―クリエイティブ職編― 非常勤講師匿名座談会 (出版元より) 発売日:2024.12.3 出版社:タバブックス 判型:A5判 縦21mm 横14mm ページ数:132
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小さき者たちへ (作 夕暮宇宙船)
¥1,100
あらすじ 大好きな祖母の手術が無事に終わったその夜、ジェノサイド攻撃を受けているパレスチナの実情を知った。「親イスラエル企業への不買運動」が話題になっている。一刻も早くツイートするなり、ストーリーに載せるなりして「自分も何かを言わなくちゃ」。そんな焦りと共に去来する、無知で無力な自分への嫌悪感。答えの出ない逡巡を経た著者はあることをきっかけに奮い立ち、祈りを込めて漫画を描くことを決意する。 ーーーーーーーーーーーーー イスラエルによるガザへのジェノサイド攻撃が始まった2023年10月7日。 その約2ヶ月半後にWeb上で発表され、X(旧Twitter)等で大きな反響を呼んだ作品に追加原稿を加えた完全版。 遠くの国で続く凄惨な戦争と、あいも変わらず続いてく日常。 矛盾だらけでなにもできない自分。 葛藤を重ね、無力感に身悶えし、それらを振り払わず思考し続けた先に放たれた、誠実で正直な言葉達。 国家、為政者、資本家、大企業。 大きな者に翻弄され、葛藤を抱えながら暮らす全ての「小さき者たち」へ捧げるパンク的漫画です。 ●夕暮宇宙船 漫画家。神奈川県在住。著書に『ひとり暮らし』。 寄稿に『VACANCES バカンス2』。 (版元より) 発売日:2024.4 出版社:地下BOOKS 判型:A5判 ページ数:76 =================================== 昨年発表された『水の定規』でも話題を呼んだ漫画家「夕暮宇宙船」 本作はイスラエルのガザ侵攻をきっかけに制作された作品。 平穏に過ぎ去る日常の裏側、同じ地球上の遠い国で凶悪な暴力に曝され、不条理な日常を送る人々がいる。 間違いであるとわかっているのに止められない、そんな自分の無力さに絶望的になる。 でも危機的状況にいる人々を、自分の人生とは関係ないと切り捨てて無視し、見捨てることなんて到底できない。 でも自分にできることなんてあるのだろうかと、再び無力さを実感する。 そんな息の詰まる日々の感情に寄り添い、闇に沈みそうな気持ちを救ってくれる一冊。
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スペクテイター 52号 「特集 文化戦争」
¥1,100
人種差別、ジェンダー平等、同性婚などの課題をめぐって議論が沸騰し、ときには激しい争いにまで発展することもある現代社会。 自分とは異なる立場や価値観をもつ相手を攻撃しあう〝文化戦争〟とも呼ばれるこの状況は、いつ頃から、どのようにして始まったのか? 私たちは、いったい誰と、何をめぐって争っているのか? 社会の二極化がすすむ理由や、ポリティカル・コレクトネス、キャンセル・カルチャー、WOKEなどの新語の背景、保守・リベラルといった政治思想の対立軸のしくみを探ります。 目次 イントロダクション “文化戦争用語”の基礎知識 まんが Riots IN USA アメリカの大学に台頭する息苦しい現実 作画 芳川ミコ 原作 赤田祐一(編集部) 論考 PC論争と文化戦争 文 高階悟 リベラルと保守のちがいがわかる政治思想入門 構成・文 桜井通開 図説 ひとめでわかるリベラルと保守のちがい 本テキスト提供 河野博子 画 藤本和也 インタビュー サミー前田氏に聞く 三多摩に流れついた日本のロック 取材・構成 編集部 まんが リベラルと保守──アメリカ政治の50年 作画 関根美有 原作 赤田祐一(編集部) ブックガイド アメリカ政治思想の現在を理解するための読書案内 選書・文 桜井通開 漫画評論 WAKE UP! ふくしま劇画にウォークネスを発見せよ 文 宇多川岳夫 図版協力 ふくしま政美 アメリカ政治思想史研究者・井上弘貴さんに聞く 日本人が知らないアメリカ保守 取材・構成 鴇田義晴 ジャーナリスト・河野博子さんに聞く “文化戦争”の起源と根底にあるもの 取材・構成 赤田祐一(編集部) (版元より) 発売日:2023.12.30 出版社:エディトリアル・デパートメント サイズ:B5変型 ページ数:176 ============================ ひとつのテーマを深く掘り下げ、日常に新たな知識・視点を与えてくれるバイアニュアルマガジン”SPECTATOR”。 52号は「文化戦争」と呼ばれる、昨今の政治的思想や価値観に基づく人々の衝突に焦点を当て、その起源や用語の定義を時折漫画も交えて、丁寧に解説。 ここ10年くらい、二元論的に社会が語られることが増え、党派間の分断の溝も深まり続けているように思えます。 本書は「保守」「リベラル」のような基本的な概念から、現代アメリカにおける政治思想の動向、文化戦争についてのブックガイドなど、流動的で変容し続ける情報社会の中で一度足を止め、その様相について見つめ直すことのできる内容となっています。
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スペクテイター 51号 「特集 自己啓発のひみつ」
¥1,320
「この本を読めば、あなたの人生が変わります」 そんな甘いことばで誘い、心を惑わす、自己啓発系コンテンツ。 自分とは無縁だと思っていてもSNSやアプリを介して届けられ、いつのまにか〝自分みがき〟をさせられていたりするから、やっかいだ。 自己啓発の文化は社会にも深く浸透している。自助、教養、自己肯定感、ポジティブシンキング…。 これらの成長や改善を促す言説は、いつ、どのようにして根づいたのか? ルーツを辿ってみると、そのタネは明治の頃に早くも蒔かれていたことが…。 経済低成長時代に入り、よりいっそうの努力や向上が求められる社会のなかで、ひとり迷子にならないために、いま知っておきたい自己啓発のひみつ。 目次 まんが 自己啓発って何だろう? 哲学者エマソンからカーネギー『人を動かす』まで。自己啓発の文化史をストーリーまんが仕立てで 作画 関根美有 原作 赤田祐一(編集部) インタビュー 真鍋厚「自己啓発が流行りつづける背景」 アップルウォッチ、マインドフルネス、推しカルチャーなど、デジタル周辺の自己啓発文化を語る 取材・構成 鴇田義晴 インタビュー 大澤絢子「日本・修養・自己啓発」 『「修養」の日本近代 自分磨きの150年をたどる』(NHK出版)をもとに「修養」と「自己啓発」の関係について聞く 取材・構成 横戸 茂 インタビュー 斎藤直子「眼ざめよ! エマソン」 『自分を変えるということ アメリカの偉大なる哲学者エマソンからの伝言』(幻冬舎)をもとに「北米の自己啓発の起源」について聞く 取材・構成 赤田祐一(編集部) ブックレビュー 自己啓発書まとめて読んでみた サミュエル・スマイルズ『自助論』から、堀江貴文『多動力』まで。新旧取り交ぜた啓発書30冊を解説 選書・執筆 桜井通開 イラストレーション ぱやの 論考 自己啓発のパラドックス 自己啓発がはらむ問題性の指摘と、社会全体でどう対処していけばよいか。『思考のための文章読本』(ちくま学芸文庫)著者による提言集 文 花村太郎 イラストレーション 芳川ミコ (版元より) 発売日:2023.3.20 出版社:エディトリアル・デパートメント サイズ:B5変型 ページ数:176 ============================ ひとつのテーマを深く掘り下げ、日常に新たな知識・視点を与えてくれるバイアニュアルマガジン”SPECTATOR”。 51号は「自己啓発のひみつ」と題し、世間一般に広く受容され、社会に深く浸透する「自己啓発コンテンツ」に焦点を当てています。 大型本屋さんの売上ランキングの棚など、高確率で自己啓発的な書籍がランキング入りしているのをよく見かけます。 (私も「人とうまく話せる方法」みたいな本を何度か手にしたことがあります) 本書はその起源の解説から、実際に自己啓発本を読んだブックレビュー(福沢諭吉まで遡って)、自己啓発カルチャーが浸透する時代背景の解説など、現代社会に生きる人々から求められる「幸福」の形について考えさせれる内容となっています。
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クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書 (著 小野寺伝助)
¥825
クソみたいな世界だなぁ、クソみたいな自分だなぁ、という日々に。 パンク的価値観による、パンク的読書を。 ■掲載タイトル 第1章「はみ出す」 「うらおもて人生録」著:色川武大 「アナキズム・イン・ザ・UK 壊れた英国とパンク保育士奮闘記」著:ブレイディみかこ 「断片的なものの社会学」著:岸政彦 「ガケ書房の頃」著:山下賢二 「エリック・ホッファー自伝 構想された真実 」著:エリック・ホッファー 第2章「D.I.Y精神」 「檀流クッキング」著:檀一雄 「あしたから出版社」著:島田潤一郎 「圏外編集者」著:都築響一 「ゼロからトースターを作ってみた結果」著:トーマス・トウェイツ 「壊れた世界で”グッドライフ”を探して」著:マーク・サンディーン 「夜と霧」著:ヴィクトール・E・フランクル 第3章「NO WAR」 「街場の戦争論」 著:内田樹 「憲法九条を世界遺産に」著:太田光・中沢新一 「ぼくらの民主主義なんだぜ」著:高橋源一郎 「一九八四年」 著:ジョージ・オーウェル 「バカボンのパパと読む「老子」」 著:ドリアン助川 「あの素晴らしき七年」著:エトガル・ケレット 第4章「ローカルとユニティ」 「「消費」をやめる~銭湯経済のすすめ~」著:平川克美 「新宿駅最後の小さなお店ベルク」著:井野朋也 「怪しい交遊録」阿佐田哲也 著 「サードウェーブ・コーヒー読本」 著:茶太郎豆央 「田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」」著:渡邉 格 第5章「破壊と構築」 「サンショウウオの明るい禅」著:玄侑宗久 「いのちの食べ方」著:森達也 「学校で教えてくれない音楽」著:大友良英 「勉強の哲学~来るべきバカのために~」著:千葉雅也 第6章「衝動と行動」 「快楽主義の哲学」著:澁澤龍彦 「へろへろ」著:鹿子裕文 「生きているのはひまつぶし」著:深沢七郎 「人間滅亡的人生案内」著:深沢七郎 「モモ」著:ミヒャエル・エンデ ●小野寺伝助 1985年生まれ。パンク・ハードコアバンドv/acationにてドラム、ffeeco womanにてギター。ZINE「government issue」にて編集長。 (版元より) 発売日:2018.10.18 出版元:地下BOOKS 判型:A5判 ページ数82 ================== 地下から起こす読書の革命。 2018年生まれのインディペンデント出版レーベル「地下BOOKS」より、主宰の小野寺伝助氏による ”パンク的” 読書ガイド。 「DIY」「NO WAR」「ローカル」「ユニティ」「はみ出す」「破壊と構築」「衝動」など、パンクに基づくキーワードを手がかりに、音楽としてのパンクとは一見無関係の作家の本の中から「精神性としてのパンク」を見出し、パンク的価値観に基づいて紹介する一冊。 1970年代後半に誕生したパンクは「時代的な社会背景」や「シーンを率いたアーティストの思想」によって音楽的な領域を越え、一言ではその様相を言い当てることのできないカルチャーへと発展しました。 「パンクの精神性」に光をあて、それはパンクス(もしくはパンク愛好家)に限らず、全ての生きづらさを感じる人々にとって重要なものであるとして、良本にコメントを寄せる著者の言葉に胸を打たれます。
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クソみたいな世界で抗うためのパンク的読書 (著 小野寺伝助)
¥935
2018年に刊行した『クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書』の続編です。 2019年〜2022年までのH.A.Bノ冊子(H.A.B)やPOPEYEWeb(マガジンハウス)での連載、KKV Neighborhoodへの寄稿に、書き下ろしを加えた全31編。 「ユニティ」「D.I.Y」「反差別」「NO WAR」「NO FUTURE」「REVOLUTION」など、考え方やライフスタイルとしてのパンクに通ずる良書を紹介することで、クソみたいな世界で抗い、生きづらい現代にツバを吐いて軽やかに生きるためのパンク的価値観を提示します。 ■目次 1.UNITY 「共に在ること」で抗う 2.D.I.Y 「自分自身」で抗う 3.ANTI RACISM 「知識」で抗う 4.NO WAR 「言葉」で抗う 5.NO FUTURE 「いまここ」で抗う 6. REVOLUTION 「世界を変える」で抗う ■紹介している書籍 『チョンキンマンションのボスは知っている』小川さやか/『「国境なき医師団」を見に行く』いとうせいこう/『壁の向こうの住人たち』A.R.ホックシールド/『聖なるズー』濱野ちひろ/『はずれ者が進化をつくる』稲垣栄洋/『ドブロクをつくろう』前田俊彦/『怠惰の美徳』梅崎春生/『結婚の奴』能町みね子/『説教したがる男たち』レベッカ・ソルニット/『ヒロインズ』ケイト・ザンブレノ/『何が私をこうさせたか』金子文子/『フライデー・ブラック』ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー/ 『もうひとつの青春 同性愛者たち』井田真木子/『ある奴隷少女に起こった出来事』ハリエット・アン・ジェイコブズ/『牛乳配達DIARY』INA/『テヘランでロリータを読む』アーザル・ナフィーシー/『生き延びるための思想』上野千鶴子/『何でも見てやろう』小田実/『ビリー・リンの永遠の一日』ベン・ファウンテン/『ガザに地下鉄が走る日』岡真理/『脇道にそれる』尹雄大/『ベルリンうわの空ウンターグルンド』香山哲/『現代思想入門』千葉雅也『急に具合が悪くなる』宮野真生子・磯野真穂/『気流の鳴る音』真木悠介/『むしろ、考える家事』山崎ナオコーラ/『うしろめたさの人類学』松村圭一郎/『人新世の「資本論」』斎藤幸平/『ブルシット・ジョブ』デヴィッド・グレーバー/『LONG WAY HOME』カナイフユキ/『ナナメの夕暮れ』若林正恭 ●小野寺伝助 おのでら・でんすけ|1985年、北海道生まれ。会社員の傍ら、パンク・ハードコアバンドで音楽活動をしつつ、出版レーベル<地下BOOKS>を主宰。著書に『クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書』。 (版元より) 発売日:2023.8.31 出版元:地下BOOKS 判型:A5判 ページ数:82 ================== 地下から起こす読書の革命。 2018年生まれのインディペンデント出版レーベル「地下BOOKS」より、主宰の小野寺伝助氏による ”パンク的” 読書ガイドの第2弾。 前作から5年、どんどんと悪い方向へ進む抜け道のない世の中に生きていると感じてしまうけど、諦めの無力感に沈むのではなく、 無力なものであるからこそ、抗うために本を読む。 パンクの重要な要素である「疑う」とは即ち「考える」ということであり、その材料としての良本を提案してくれる、全ての人におすすめの一冊。
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未知を放つ (著 しいねはるか)
¥1,500
”普通”に迎合しようとしてみても、心身がついてこない。 既成の概念にとらわれず、未知に自己を放ってみると、いびつな欠点は生きるためのギフトに変化していった。 『未知を放つ』は、コンプレックスを煮詰めた著者による生活の奮闘記であり、ちいさな実験の記録であり、愛とユーモアと脇汗が染み込んだノンフィクションエッセイ。 The personal is Political(個人的なことは政治的なこと)という言葉が、堅いスローガンとしてではなく、日常の実感としてなんとも優しく感じられるパンク的名著です。 目次 1.婚活 棚ぼたとコンプレックス 2.家族 固定観念から自由になる介護 3.終活 イエーイをうつした遺影 4.分断 葛藤と脇汗の先に見えた景色 5.生活 いびつで文化的な最高の生活 ●しいねはるか 一九八一年生まれ。心身の不調和をキッカケに、二〇〇七年より整体をベースにした仕事を開始。身体と頭とハートを使ってここちよい心身を育てたい方のお手伝いをしています。バンドGORO GOLOやソロ名義での音楽活動を行う傍ら、一人一人の物語を紡いだZINE「tonarinogofuzine」の刊行を継続中。一人一人がそれぞれのまま、楽しく無理なく力を合わせられるような世界に住みたいと思っている。 (版元より) 発売日:2021.6.26 出版社:地下BOOKS 判型:B6判 ページ数:215
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ことぱの観察 (著 向坂くじら)
¥1,980
文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。 「好きになる」「さびしさ」「つきあう」――。 日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのだろうか。 一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。 他人や、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録。 ある言葉があって、同じ言葉を使う他人がいる。しかし、お互いにほかの文脈を持っていて、ほかの意味を考えている。だから会話が食いちがい、ときに関係がうまくいかなくなるのだ。定義をしながら、そしてその不完全さを思いながら、いつも感じてきたことがある。言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼らの記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。(「観察」より) まえがき 1.「友だち」「遊びと定義」「敬意とあなどり」「やさしさ」「確認」「忘れる」「くさみ」 2.「好きになる」「恋」「ときめき」「性欲」「つきあう」「愛する」 3.あなた「友だち2」「めまいと怒り」「さびしさ」「寝る」「飲むとわかる」「乗る」「観察」 ●向坂くじら 詩人。1994年、愛知県名古屋市生まれ。2016年、Gtクマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニツト「Anti-Trench」を結成、ライブを中心に活動をおこなう。主な著書に詩集『とても小さな理解のための』、エッセイ『夫婦間における愛の適温』『犬ではないと言われた犬』(百万年書房)など。2024年、初小説『いなくなくならなくならないで』が第171回芥川龍之介賞候補となる。執筆活動に加え、小学生から高校生までを対象とした私塾「国語教室ことぱ舎」の運営をおこなう。 (版元より) 発売日:2024.12.25 出版社:NHK出版 版型:四六判 ページ数:272 ========================= 科学の発展と共に生活様式が変化し続ける、なんだかすごく急ぎ続けている時代において、 一度歩みを止め、数歩後ろに戻れるような一冊。 著者の言葉に対する真摯な姿勢から、速度に取り憑かれた現代社会で忘れがちな 丁寧さに気づけるエッセイ集。
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「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 (著 小川たまか)
¥924
「わたし」を奪われずに生きるために。 性暴力被害、ジェンダー格差、年齢差別、#MeToo…… 社会から軽く扱われてきた暴力に声を上げ続けた記録。 文庫版新章「自由のほうへ行くために」を増補! 社会から隠されてきた小さな声を丹念に取材し続ける著者が、わたしたちに降りかかる「らしさ」の呪いを断ち切り、生きづらさを理解するための新たな補助線を書き加えていく。 性暴力被害やハラスメント、痴漢犯罪、#MeToo、2017年と2023年に行われた性犯罪刑法改正──。 この不合理な世界で闘うあなたを決してひとりにしない、レジスタンス・エッセイ。 新章「自由のほうへ行くために」を増補。 この社会を見る角度や場所を変えなければいけない。 その周辺で何が起きているか見つめなければいけない。 ――(本文より) ●小川 たまか (おがわ・たまか):1980年東京生まれ。大学院卒業後、2008年に共同経営者と編集プロダクションを起ち上げ取締役を務めたのち、2018年からフリーライターに。Yahoo!ニュース個人「小川たまかのたまたま生きてる」などで、性暴力に関する問題を取材・執筆。著書に『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)、『たまたま生まれてフィメール』(平凡社)、共著に『わたしは黙らない──性暴力をなくす30の視点』(合同出版)がある。エトセトラ特集号「ジェンダーと刑法のささやかな七年」(etc.books)では責任編集をつとめる。 (版元より) 発売日: 2025.3.12 出版社:筑摩書房 判型:文庫版 ページ数:256
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家父長制はいらない (編 仕事文脈編集部)
¥1,540
[4.24 再入荷] 格差、差別、バッシング、家族、戸籍……色んなひとが困っているけど、これって全部同じ問題=家父長制なんじゃないか? さまざまな角度から「仕事」を考えるリトルマガジン『仕事文脈』。 近年掲載した記事の中からフェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティにまつわる文章を再編集。 性差別的な問題の根幹にある、男性支配的な社会システムである家父長制を解体するための言葉を収録。 【目次】 1.ことば・表現 小さな言葉 小沼理 Shitが溢れるインターネット空間 濵田真里 空白のビルボードを見つめて 小林美香 2.カルチャー 「伝え方が悪かったかな、勘違いさせてごめん!」 ニイマリコ 「伝統」を解体する際に 小田原のどか 美術の場でセーファースペースをつくる ケルベロス・セオリー 3.家族 文学の中の「オンナ・コドモ」ーあるいは家庭ーの領域の仕事 小川公代 シルバニアファミリーから考える 浪花朱音 結婚願望がゼロになるまで 笛美 4.社会・政治 政治家だけじゃない 私たちだって主役であるべき 和田靜香 その家父長制は誰のため?──マジョリティ男性に必要な学びとレジスタンス 清田隆之 安倍晋三という政治家が力を持った時代、女性や家族、性的マイノリティをめぐる政策はどう展開されたのか 山口智美 5.セックス びわこんどーむくんがゆく。 清水美春 セックスワーク・イズ・ワークを拒むもの 戸田真琴 6.クィア 点が線になるまで、線が面になるまで 和田拓海 ひとりで生きたい とりうみ 台湾のナイトクラブで婚姻平等を体験する 燈里 働きながら性別移行した私の経験 おいも (版元より) 発売日:2024.7.11 出版社:タバブックス 判型:B6版変型(173mm×123mm) ページ数:160 ================== リトルマガジン『仕事文脈』に掲載されたフェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティにまつわる文章を再編集。 日本社会に残る「家父長制」を解体するための言葉を収録。 家父長的構造を可視化することで、その潜在性に気付かされる一冊。
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天災と国防 (著 寺田寅彦)
¥1,078
標題作「天災と国防」ほか、自らの関東大震災経験を綴った「震災日記より」、デマに対する考察「流言蜚語」など、地震・津波・火災・噴火などについての論考やエッセイ全十二編を収録。 平時における備えと災害教育の必要性など、物理学者にして名随筆家ならではの議論はいまだに有効である。 天災について再考するための必読書。(解説・畑村洋太郎) 天災の被害を大きくするのは人災である 悪い年回りはむしろいつかは回って来るのが自然の鉄則であると覚悟を定めて、良い年回りの間に充分の用意をしておかなければならないということは、実に明白すぎるほど明白なことであるが、またこれほど万人がきれいに忘れがちなこともまれである。 「文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増す」 「現代では日本全体が一つの高等な有機体である。各種の動力を運ぶ電線やパイプやが縦横に交差し、いろいろな交通網がすきまもなく張り渡されているありさまは高等動物の神経や血管と同様である。その神経や血管の一か所に故障が起こればその影響はたちまち全体に波及するであろう」――<本文より抜粋> ※本書は『寺田寅彦全集』『寺田寅彦随筆集』(岩波書店)を底本に、物理学者で随筆家でもある寺田寅彦の発表したもののなかから災害に関連するものを集め、再構成したものです。 ●寺田寅彦(てらだ・とらひこ) 1878年~1935年。東京帝国大理科大学実験物理学科卒業。理学博士。東京帝国大理科大学教授。帝国学士院会員などを歴任。地球物理学者、随筆家。身近な現象について科学的に考察する「寺田物理学」でも知られる。著書に、『地球物理学』 『万華鏡』 『蒸発皿』 『物質と言葉』 『柿の種』など多数。『寺田寅彦全集』も刊行されている。 (版元より) 発売日:2011.6.10 出版社:講談社 判型:A6 ページ数:208
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ガラスの城 (著 松本清張)
¥913
エリートコースの販売課長が社員旅行の晩に行方不明となり、惨殺死体で発見された。 動揺を隠せない社内の空気の中で、死の謎を追跡する女性社員の手記。 意外な貌を見せる社員たちが疑惑の線上に次々と浮かぶ。 欲望と犯罪の構図はガラスの城のような組織で醸成されたのか。 清張ミステリーの傑作を読みやすい新装版に。 ●松本清張 1909年福岡県に生まれる。朝日新聞西部本社広告部をへて1952年に発表した『或る「小倉日記」伝』で第28回芥川賞を受賞。1956年頃から推理小説を書き始める。1967年、『昭和史発掘』など幅広い活動により第1回吉川英治文学賞を受賞。1970年に第18回菊池寛賞を受賞。現代社会をえぐる鋭い視点と古代史に始まる深い歴史的洞察で幅広い読者を得、日本を代表する作家であった。1992年8月、逝去。 (版元より) 発売日:2023.11.25 出版社:講談社 判型:A6 ページ数:432 ================= 社員旅行で起こった事件を2人の女性の視点で語りながら、真相を暴いていくミステリー。 今作も登場人物の洞察力の鋭さ、論理展開の明快さは健在で、松本清張ならではの文章が味わえます。 作品は1960年代に書かれましたが、今作は新装版となって読みやすくなっています。 昭和の会社文化や人の暮らしも垣間見れるため、昭和史としても読めるのではないでしょうか。
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香川にモスクができるまで (著 岡内大三)
¥1,980
ロードサイドにモスク建立?! 地方都市で暮らす在日ムスリムたちを追った、 笑いと団結、そして祈りのルポタージュ 日本で暮らす移民は増え続けている。 香川県には、2019年時点で約800人のインドネシア系ムスリムからなるコミュニティーが存在していたが、信仰のための施設《モスク》はまだなかった。 信仰にとってモスクとはどのような存在なのか? そもそもイスラム教とはどのようなものなのか? モスク建立に奔走する長渕剛好きのインドネシア人フィカルさんとの出会いから、著者は祖国を離れ地方都市で暮らす彼らのコミュニティーに深く関わるようになっていく──。 【目次】 プロローグ 第1話 出会いと介入 和室に響き渡るムスリムの祈り 第2話 ゆめタウン、フードコート集合 寄付活動に密着 第3話 義理と人情の男 フィカルの波乱の人生 第4話 物件探しに見るフィカルさんのトラウマ 第5話 混迷の物件探し 差別と偏見のリアル 第6話 技能実習生とモスク 弟分のためのフィカルのカチコミ 第7話 モスク完成が目前に! 突然現れた、謎の富豪ムスリム 第8話 パンデミックが炙り出すムスリムの絆 第9話 危うい計画 無謀な挑戦の行方 第10話 突然翻られたパートナーの反旗 第11話 多様性の意義 ムスリムの世界観に救われる 第12話 娘たちへの不安 第13話 快進撃前夜 動画制作、涙の演奏会 第14話 ついに始動、インドネシア人コミュニティーの底力 第15話 70人のバス旅行 消えた友人と、私がムスリムを追う理由 第16話 モスク完成と聖なる出発点 ●岡内大三(おかうち・だいぞう) ライター/編集者。1982年生まれ。海外居住やバックパックでの旅を通じて、異文化に触れてきた。2011年に東京の出版社を退社し、フリーランスに。移民、少数民族、難民などを取材し、ノンフィクション記事を執筆。土着的な音楽や精神世界などにも興味を持ち、国内外で取材を続けている。近年は文章に軸足を置きつつ、リサーチをベースにした映像作品も制作。身体表現や生け花などのパフォーマンスをメディアと捉えなおし、ストーリーテリングの手法を模索している。 (版元より) 発売日:2023.1.26 出版社:晶文社 判型:四六判 ページ数:288
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彼女たちに守られてきた (著 松田青子)
¥1,980
大好きだった児童文学やドーナツの思い出、“タメ口おじさん”や古くさいマニュアルへの違和感。私たちを勇気づけるエッセイ集。 ●松田青子 1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、14年にTwitter 文学賞第1位となり、19年には短篇「女が死ぬ」(英訳:ポリー・バートン)がアメリカのシャーリィ・ジャクスン賞短篇部門の候補となった。その他の著書に『英子の森』『おばちゃんたちのいるところ』『持続可能な魂の利用』、翻訳書にカレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』『レモン畑の吸血鬼』、アメリア・グレイ『AM/PM』、ジャッキー・フレミング『問題だらけの女性たち』、カルメン・マリア・マチャド『彼女の体とその他の断片』(共訳)、エッセイ集に『ロマンティックあげない』『じゃじゃ馬にさせといて』などがある。 (版元より) 発売日:2025.3.24 出版社:中央公論新社 判型:四六判 ページ数:240 ================== 女として生きる時に感じる、社会の求める女像とのズレや違和感を、日常の言葉で語ってきた著者の最新エッセイ。 人によって共感できたり、ハッと新しい価値観に気付いたり、発見がきっとある一冊。
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それはわたしが外国人だから? (著 安田菜津紀 / 絵と文 金井真紀)
¥1,980
ともに生きるってなんだろう? 難民、紛争などの取材・発信を続けるフォトジャーナリスト安田菜津紀が、日本の入管政策に翻弄されてきた、外国にルーツのある4人を取材。 一人ひとりの生きた道のりをたどることで、彼らがどんな困難に直面してきたかを、子どもにも伝わるよう平易なことばでまとめました。 あちらこちらで「多様性の尊重」がいわれているのに、そこから排除される人たちがいるのはなぜだろう。 共に生きるってなんだろう。 そんな対話のきっかけになることを願って――。 文筆家でイラストレーターの金井真紀によるカラーイラスト多数。 入管法や難民の人たちをもっと知るためのQ&Aや、金井による「難民・移民フェス」についてのエッセイも収載。私たちに何ができるのかを考えます。 はじめに 01 在留資格がないと、公園のなかの川がわたれない? リアナさんのお話 3つのことばがとびかう家族/いなくなってしまったお父さん/とつぜんはじまった「自由に移動ができない」くらし/「働いてはダメ」で苦しくなった生活/「とにかく帰れ」という法律になってしまう?/リアナさんの夢と、その3つの理由/ついに変わってしまった法律 02「日本の子どもたちに英語を教えたい」と夢見ていたのに ウィシュマさんのお話 のびのびと育った三姉妹/日本の子どもたちに英語を教えてみたい/とぎれてしまった家族への連絡/スリランカに帰れず、つづいた収容/ようやく見つけた、外に出る希望/点滴もされず、入院もできず……/とつぜんの知らせと母の悲しみ/悲しい再会/真相を知りたい家族の前に立ちはだかるもの 03 命の危険からのがれてきたのに アハメットさんのお話 自然にかこまれた農村のくらし/禁止されていた民族のことば/こっそり祝ったクルドの正月/安全な場所をもとめて、日本へ/どうして日本は自分たちを守ってくれないの?/ふたたび、ひきさかれた家族/ニュージーランドでむかえた新しい生活 04 外国人の「管理」「監視」はいつからはじまったの? 石日分さんのお話 多様な人びとがくらす桜本のハルモニたち/「キムチくさい」と言われつづけた子ども時代/母のふるさとに帰ろうとしたものの……/一方的に「日本人」「外国人」にされた在日コリアンたち 05 新しい法律のなにが問題? ほんとうに必要なしくみとは? 入管法のお話 06 いっしょに遊ぼう、ほしい未来をつくろう 難民・移民フェスのお話 おわりに 謝辞 もっと知りたいQ&A Q1 入管ってなんですか? Q2 入管施設への収容や、送還ってどういうこと? Q3 仮放免って、どうやって決められるの? Q4 在留資格のない子どもは日本にどれくらいいる?学校には行っている? Q5 日本にくらす、在留資格のない子どもたちはどうなるの? Q6 学校にかよわなくなると、在留資格がなくなってしまうの? Q7 学校にかよえなくても、仕事はできるのでは? Q8 ウィシュマさんはどうして収容されうつづけたの? Q9 具合がわるいのに、どうしてすぐに病院に行かせてくれないの? Q10 日本が好きな人だったのに…… Q11 入管ではどれくらいの人がなくなっているの? Q12 在留資格がないのは「わるいこと」なのでは? Q13 ほかの国でも長いあいだ収容されてしまうの? Q14 日本にはどれくらいのクルド人の人たちが住んでいるの? Q15 世界ではどれくらいの人がふるさとをおわれているの? Q16 移民ということばもよくききますが、難民とどうちがうの? Q17 日本はどれくらい難民を受け入れているの? Q18 なぜ日本は難民に認定される人がすくないの? Q19 飛行機で逃げるにはお金がかかるね。お金をもっていても難民なの? Q20 避難してきた人たちは、日本でどんなことに困っているの? Q21 仕事をしたいから難民申請している人もいるの? Q22 どうして日本はクルド人を難民として受け入れないの? Q23 日本で難民としてみとめられないなら、ほかの国に行けばいいのでは? Q24 難民の受け入れって負担なの? Q25 外国人がふえると犯罪がふえるってネットで見たけど、ほんと? Q26 「外国人は危ない」っていう偏見が広がると、どんなことが起きるの? Q27 日本でのくらしがたいへんなら、帰国すればいいのでは? ●安田菜津紀 1987年神奈川県生まれ。フォトジャーナリスト。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『国籍と遺書、兄への手紙―ルーツを巡る旅の先に』(ヘウレーカ)他。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。 ●金井真紀 1974年千葉県生まれ。文筆家・イラストレーター。「多様性をおもしろがる」を任務とする。著書に『はたらく動物と』(ころから)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『虫ぎらいはなおるかな?』(理論社)、『世界はフムフムで満ちている』(ちくま文庫)、『日本に住んでる世界のひと』(大和書房)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)など。難民・移民フェス実行委員。 (版元より) 発売日:2024.4.15 出版社:ヘウレーカ 判型:四六判 ページ数:184
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若者の戦争と政治 (編 仕事文脈編集部)
¥1,870
むしろ「学ばなかったこと」のほうが印象深いかも(26歳) 「先生だから政治的意見は言えない」と、"中立"であることにこだわっていたのが印象的(23歳) 「社会や政治に無関心な若者」は、こうして生まれたー 1994〜2004年生まれ、20代50人に聞いた、戦争と政治。 「慰安婦」の文字が教科書から消され、戦争における加害の歴史を学ばなかった。 性教育がバッシングされ、激しいジェンダーバックラッシュが起こった。 生きづらさを自己責任で丸め込まれ、「ゆとり」や「さとり」と後ろ指をさされる。 第2次安倍政権下で義務教育期を過ごしたかれらは、当時の政治や教育にどう影響され、何を感じてきたのか。 生まれ育った1994〜2024年の政治、教育、文化、社会の動きを年表で振り返るとともに、若者たちの声を聞く1冊。 戦争を起こさないようにするのは誰か。問われなければいけないのは政治だ。 (寄稿 武田砂鉄) * 戦争や政治と聞いた時、どんなものを思い浮かべますか? 小学校〜高校までに学んだ戦争、政治について、印象に残っていること、記憶していることを教えてください。 【戦争】 日露戦争とか、日清戦争などの単語と年号。受験頻出のことばかり覚えている。なんで起こったのかとかは覚えていない(23歳) 土地や資源を奪い合って人が死ぬ行為、ぐらいの想像力しか持てない(24歳、男) 「慰安婦」という言葉は教科書にも書かれていなかったし、聞いたこともなかった(26歳) 日本が受けた被害については印象に残っているのに、日本が他の国や地域に対して行ってきたことについてはさらりと済まされていたような気がします(28歳) 【政治】 腐敗だらけでゴミだけど、世の中も同じくらいダメなところがあるから、変えようがないもの。「お上」。中高年男性。居眠り(22歳) 政治についていくにはエネルギーが必要で、日々の生活に精いっぱいのときには簡単ではない(22歳) 選挙権を得た年に、有権者として初めて公約をチェックした際、自分の住んでいる地域では若者にとって魅力的な候補者がほとんどいないことに驚きました(26歳) 政治についてもっと声を上げていい、批判して、何なら怒ってもいい、私たちにはその権利があるということをもう少し早く知っておきたかった(29歳) —回答より * (版元より) 発売日:2024.12.27 出版社:タバブックス 判型:新書判変型(173mm×110mm) ページ数:232 ================== 戦争と政治について、20代50人を対象に行われたアンケートにより構成される一冊。 不安定化する昨今の国際情勢において大切なことを再認識させてくれると同時に、 教育に対する新たな視点を与えてくれる一冊。
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WORKSIGHT 18号 われらゾンビ
¥1,980
「自律協働社会のゆくえ」を考えるメディア「WORKSIGHT」 18号のテーマは「われらゾンビ」と題した、ゾンビから見出す現代社会の絶望と希望です。 資本主義社会を批判し続けたゾンビ映画界の巨匠ロメロについての論考、「資本主義」「労働」「ファストフード」「ポストヒューマン」「革命」「新自由主義」「感染症」というキーワードからセレクトしたゾンビ映画から読み解く現代社会の姿、Kゾンビなどなど、映画関連の情報はもちろんのこと、 マックス・ウェーバーなどを引き合いに出しながら今日の資本主義社会をゾンビ的視点で説明した冒頭部分や、現代をゾンビの観点から捉え直す論文「ゾンビ宣言」など、 現代社会と資本主義、さらにはゾンビ自体にも新しい視点が得られるような一冊です。 ========================== ◎ゾンビ宣言 高度資本主義の時代における非人間の状態 サラ・ジュリエット・ラウロとカレン・エンブリーが2008年に発表したのが本稿、その名も「ゾンビ宣言」。 ハイチ発祥のゾンビの原型から、映画のゾンビ、そして未知なる 存在的/憑在的ゾンビへ。熱気のこもった哲学的論考を読めば、きっと目を剥くことだろう。 文=サラ・ジュリエット・ラウロ/カレン・エンブリー 翻訳=遠藤徹 ◎ゾンビの学校 ゾンビの学校で現代社会を学ぼう! 講師は名著『ゾンビと資本主義』の遠藤徹先生。 7つのキーワードをもとに ゾンビ映画から読みとく現代社会。 その絶望と、わたしたちの希望。 文=遠藤徹 ◎ゾンビの世界史 コロンブスのハイチ到着からゾンビの物語は始まる。ハイチのヴードゥーの習俗から派生したゾンビは、書物、映画、漫画、ゲーム を通じて、世界の人びとの想像力を駆り立ててきた。年譜でたどる、ヒトとゾンビの500年。 ◎死の報い ジョージ・A・ロメロとアメリカの悪夢 現在のゾンビ映画の定型を「発明」した不世出の映画監督ジョ ージ・A・ロメロは、アメリカ社会を蝕む資本主義、軍国主義、植民地主義、人種差別、性差別を根源から批判しつつ、それを決して脱け出すことのできない牢獄として描く稀代のペシミストだった。「死のうとも、社会が完全に崩壊しようとも、資本主義の外を想像することができない」現代社会において、絶望の巨匠は、いったい何をゾンビに託したのか。アート映画のSVODプラットホーム〈MUBI〉に掲載された渾身のロメロ/アメリカ論を特別掲載。 文=ブライアン・エーレンプリース 翻訳=若林恵 ◎新入社員、『奴隷会計』を読む ゾンビと資本主義はともにカリブ海のプランテーションにルーツがあるという。その両者をつなぐのは「奴隷制」だ。2022年に刊行されたケイトリン・ローゼンタールの『奴隷会計:支配とマネジメント』は、奴隷制がいかに現代の企業マネジメントの基盤となっているかを明かした注目の書だ。2022年春に大手 日本企業に就職を果たした入社8カ月目の新入社員(匿名)に『奴隷会計』を読んでもらった。奴隷制は過去の遺物なのか? それとも現代企業のなかに巧みに温存されているのか? インタビュー・文=若林恵 ◎Kゾンビは右側通行しない 2016年『新感染 ファイナル・エクスプレス』で世界的な注目を浴び、以後『キングダム』『今、私たちの学校は...』など、ゾンビ映画/ドラマに新たな視点を投げこんだ「Kゾンビ」。それは 旧来のゾンビものとはどこが異なり、何を新たに語りかけているのか。韓国の気鋭の映画評論家カン・ドックによる書き下ろし論考。 文=カン・ドック 翻訳=後藤哲也 ◎韓国ゾンビになってみる ゾンビを知るには、ゾンビになってみるのが一番。ストリートダンサーとともにゾンビの動きを身につけよう(ついでに体幹も鍛えられる?)。 ◎バスキアの絵がゾンビにしか見えない ジャン=ミシェル・バスキアは、投機資本主義の愛玩物として搾取され続けながら、それに絶えず異議を申し立て続ける反逆のヒーローとして、いまなお強力なアイコンであり続けている。バスキアは、終わることのない二項対立のなか、死にもせず生きもせず宙吊りにされる。そのありようはまるでゾンビじゃないか。と思えば、絵に登場するアイコニックな「キャラ」もゾンビに見えてくる。「バスキア=ゾンビ」という無理矢理な仮説に、本誌コンテンツディレクターの若林恵が挑む。 文=若林恵 (版元より) 発売日:2023.1.30 出版社:学芸出版社 サイズ:A5変型判 ページ数:128